空き家化の始まりは「子供が実家に戻らない」と決めた時


『隣はほぼ空き家』という既に起こっている未来について、どう考えますか?

 

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クリックすると笑恵館のビフォア・アフターをご確認いただけます

 

先日、「笑恵館(しょうけいかん)ミーティング」という多世代がシェアする暮らし方について、みんなで食卓を囲みながら話し合う、月に一度の集まりに参加してきました。かれこれ1年以上参加しています。

多世代がシェアする暮らしを考える中で、大きなテーマの一つとして「空き家活用」があり、今回はそのお話です。

 

その笑恵館ミーティングで20名弱の人数に手こずりながら、豚すね肉のポトフを振る舞った、Fabo の加古です。

 

空き家の現状

 

さて、本題の「空き家」ですが、『マイホームはこうして選びなさい』の著者で不動産コンサルタントの長嶋修氏によると、その状況は、

 

日本の住宅市場はすでに「飽和状態」をはるかに通り越して「大幅に余剰」。5年ごとに行われる総務省の調査によれば、平成20年10月1日時点での総住宅数5759万戸に対して、総世帯数は4999万世帯と、約760万戸の空き家を抱える。日本全体を賃貸住宅経営に例えると、空き家率は13.1%だ。現時点ではすでに空き家数は800万戸を超えているだろう。

 

さらに今後どうなるかを予測したレポートがある。「人口減少時代の住宅・土地利用・社会資本管理の問題とその解決に向けて(下):(野村総合研究所)」によれば、もし2003年のペースで新築(約120万戸)を造り続けた場合、30年後の2040年には空き家率が43%に達するとしている。いわば「お隣は空き家状態」である。これではまったくお話にならないから、仮に新築を造るペースを半分(約60万戸)にした場合でも30年後には空き家率が36%なってしまうとのことだ。

 (出典: 『新築造り過ぎニッポンが迎える「空き家40パーセント時代」』  長嶋修 ダイヤモンドオンライン)

とのことで、既に起こっている未来として「隣はほぼ空き家」の世界が始まっています。

 

笑恵館のある世田谷区の場合

 

笑恵館のある世田谷区でも、同じ平成20年時点で空き家数が約3万5千戸あると言われています。世田谷区は日本が人口減少社会となった今でも人口が増え続けている稀有な自治体です。その世田谷区でさえ7.6%の空き家率です。

 

さらに、65歳以上の高齢者の3分の2が高齢者のみで、さらに3分の1が単身で暮らしています。これを見ても人口増が必ずしも空き家問題解決になっておらず、さらに都市部以外の問題でも無いことが良くわかります。

 

住んでいるのに始まってしまう空き家化

 

笑恵館において1年以上話し合いを重ね、実際に1軒屋とアパートをオープン化していく取り組みを通して空き家問題を考えてみると多くの学びがありました。その中で私が思う重要な考察に「子供が実家に住まないと決めた瞬間に「空き家化」は始まっている」というものがあります。

 

これは、一般的な「空き家問題」の解決方法が対処療法に対して、予防療法に切り替えていかなければならないということを示唆しています。虫歯の治療では、虫歯になった歯を抜いたり、削って詰め物をしたりするのが、対処療法です。それに対し虫歯にならないためにブラッシング指導したり、フッ素コーティングしたりするのが予防療法です。一旦虫歯になってしまうと荒療治か高額な医療費をかけて治療するしかありません。放っておくと歯抜け状態となり、食べたいものがたべられなくなり、他の病気を併発することもあります。何となく「空き家問題」に似てはいませんか?

 

空き家化は、人が住まなくなった瞬間に始まる訳ではありません。子供が育ち一人暮らしを始め、実家には戻らないと決めた瞬間に始まるのです。子供が戻らないと決まると、家のメンテナンスも最小限となり、再活用の段階で修繕費等のコストがかかり過ぎるのもこの問題を大きくしています。そう考えれば、実際に空き家になってしまう前から、予防治療が必要でオーナーが元気なうちに対策を立てておいた方が、空き家化を防ぐことができるのではないでしょうか。

 

ご多分にもれず

 

かくいう私も空き家問題を抱えています。今年の2月に祖母が87歳で永眠しました。私の母方の祖母で、母の弟も亡くなっており、その実家に住む人は誰もいません。何年も前から家を売る話が、生まれては消えしながら今に至っています。

 

今思い返せば、母の実家の空き家化は祖母より先に亡くなった叔父が会社により近い場所にマンションを購入した30年近く前から始まっていたのです。

 

私事で恥ずかしい限りですが、30年間放っておいた問題が現実のものとなりました。ずっと前からこうなることは決まっていたのに。。。実は笑恵館に通うようになったのは、この祖母の家をどうすべきか、と考えていたときにお誘いいただいたのがきっかけでした。

 

笑恵館という新たな取組がスタートします

 

多世代が暮らしをシェアするみんなの家、笑恵館は2014年4月にオープンを迎えます。オーナー自らが立ち上がり、自宅の活用を地域の方々と考え、具現化する取り組みがいよいよスタートします。Fabo も微力ながらご支援させていだだいています。

多世代 ミーティング

笑恵館と関わるきっかけを作ってくれた祖母が、オープン直前に亡くなったことに何かの運命を感じざるをえません。この取組については今後も適宜ご報告したいと思っています。今回は、「空き家化は子供が実家に住まないと決まった時から始まっている」というお話でした。

 

最後までお読みいただきましてありがとうございました。次回は、「誰が空き家問題に取り組むと効果的か」というお話をしたいと思っています。

 

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 笑恵館について

 

笑恵館(しょうけいかん)は、世田谷区砧にある古い木造のアパート付き住宅をリノベーションした会員制の「みんなの家」です。2014年4月にオープン予定で、シェアアパート、予約可能な多目的スペース、キッチン、パン屋さんなどがあり、地域の方が暮らしやビジネスをシェアすることが可能です。

URL: http://shokeikan.com/

所在地: 東京都世田谷区砧6-27-19

アクセス: 小田急線祖師ヶ谷大蔵駅徒歩4分

主な施設:

    • シェアアパート(6室)
    • パン屋さん「せたがやブレッドマーケット
    • キッチン&食堂
    • ショップ
    • ほほえみ(椅子・テーブル付き多目的会議スペース)
    • ニコニコ(椅子・テーブル無し多目的スペース)
    • デッキ(レンタル可能なデッキ・庭スペース)、など