子供に自慢できる!? 大ヒット映画「アナと雪の女王」とピクサーの3つの秘密


「全ての人を喜ばせる」ピクサー社の秘密は会議にあった

アナと雪の女王 ピクサー

 

先日の FABQ(Fabo の BBQ)ではビアカンチキンを作った、新規サービスの企画・開発をご支援しております Fabo の加古です。

 

さて、最近、町のあちこちから「レリゴ~、レリゴ~」と子供の歌声が聞こえてきます。映画を観たこともない4歳の息子までも保育園で覚えて、口ずさんでいる状態です。サントラはミリオンセールに近づく大ヒット、a 社さんはウホウホですね。

さて、流行ってるからと言って一人で観に行くのは気が引けるという世のお父様方に、少し違った角度で「アナと雪の女王」とピクサーの秘密について書いてみたいと思います。

 

【秘密1】 「ディズニー映画」と「ピクサー映画」って何が違うの?

 

今回のブログタイトルを見て「アナと雪の女王」はディズニー映画だぞ、と思われた方は通です。

それでは、「ディズニー映画」と「ピクサー映画」の違いって、何なんでしょうか?

2006年にピクサーはディズニー配下になりましたが、今でも「ディズニー映画」と「ピクサー映画」があります。

何が違うのでしょうか。

この記事を読むまで私も勘違いをしていたのですが、「プレーンズ」はピクサー映画ではないとのこと。

昨年の12月21日に公開された「プレーンズ」はディズニー映画です。

なんともややこしい…と思う方も多いでしょうから、

映画「プレーンズ」の内容をレビューするのではなく、

ピクサー映画とディズニー映画について詳しく説明していきましょう。

 

 

まず、製作しているスタジオが違います

 

たとえば、ジブリ映画=スタジオジブリが製作ということと同じで、製作しているスタジオが違うのです。

ディズニー映画=ウォルト・ディズニー・スタジオ製作

ピクサー映画=ピクサー・アニメーション・スタジオ製作

です。

つまり、「カーズ」の絵に似ていてもディズニーのスタジオで作ればディズニー映画ということです。

もちろん所在地も違いまして、ディズニー・スタジオはロス、ピクサーはサンフランシスコ(カナダもありましたけど)。

 

映画を知っている人には当然ですが、実は知られていないことが多いです。

(出典: 「ピクサー作品ではありません。ディズニー映画「プレーンズ」」 2014年01月09日 エキサイトレビュー )

 

なるほど、知っているようで知りませんでした。「カーズ」が飛行機になったのが「プレーンズ」だと思っていました。

違うのですね。しかし、似ているんだよな~、とお思いの方も多いと思います。

 

ただし、クリエイティブ責任者は同じです。

 

ここがディズニー映画とピクサー映画の垣根をなくした要因といえるかもしれません。

ディズニーは2006年5月にピクサーを完全子会社にしたのです。

つまりディズニーがピクサーを買収したわけです。

そのとき「トイ・ストーリー」などを監督した、ピクサーのジョン・ラセターが

ディズニー・スタジオのクリエイティブ責任者になったのです。

 

もちろん、彼は現在もディズニー映画とピクサー映画の両方のクリエイティブ責任者ですから

「プレーンズ」に関してもジョン・ラセターがクリエイティブチェックをしています。

なんといっても、ジョン・ラセターは「カーズ」の監督ですからね。

「プレーンズ」がディズニー映画であっても、ピクサー映画であっても、

スタッフや監督に違いはあっても、ラセターの監修は変わりません。

 (出典: 「ピクサー作品ではありません。ディズニー映画「プレーンズ」」 2014年01月09日 エキサイトレビュー )

そうなんですディズニー映画であっても監修はピクサー出身のジョン・ラセターがやっているのです。

似てるはずですよね。

 

【秘密2】 「アナと雪の女王」のヒットの理由

 

さて、ディズニー映画とピクサー映画の違いがわかったところで、本題の「アナと雪の女王」に戻りたいと思います。

 

ここで、ご紹介したいのが、ピクサー作品を愛してやまない方のブログ記事です。素晴らしい記事なので全文ご紹介したいぐらいですが、一部を抜粋させていただきました。

 

なぜ、「アナと雪の女王」がこれほどまで世界的大ヒットを記録したのでしょうか?

その点に関して、様々な場所で、様々な議論・評論が行われていますが、

 

真実は、ただ一つ。

 

「ラプンツェルからディズニーのミュージカルを進化させようとしてきたジョン・ラセターが、その高みに達したから」

 

です。

 

しかし、ここに書いてきたように、ジョン・ラセターは、より多くの人を喜ばせるために、影の立ち位置を取っています。

だから、世界中のほとんどの人はその事実を知りません。

そもそも、ピクサーのキャラクター「ファインディング・ニモ」や「カーズ」ですらディズニーが生んだと思っている人がほとんどなのです。

(出典: 「昨日、TSUTAYAで号泣しました。」 2014-06-22 ウケる日記 )

「アナと雪の女王」の大ヒットは、ピクサー出身のクリエティブ責任者であるジョン・ラセターの貢献だと言い切ります。

もう、覚えましたよね、ここでもジョン・ラセターです。

彼のピクサーで積み上げてきたものとディズニー体制後に築いたものが見事に相まって、この大ヒットにつながったのです。

 

【秘密3】 ピクサーが注入したクリエイティビティを保つ秘訣は会議にあった

 

それでは、なぜジョン・ラセターはこれほどまでにクリエイティブな作品を連発できるのか。

組織が大きくなればなるほど、クリエイティビティを発揮できなくなる会社も多いのではないのでしょうか。

どうも彼等の会議手法に秘密があるようです。

── ピクサーの製作過程で重要なものとして、Braintrust(ブレイン・トラスト)と呼ばれる、製作中の作品に対してメンバーが互いに建設的なフィードバックを与え合うミーティングがありますね。こうした手法は、どのような企業でもすぐに導入できるものでしょうか? それとも、時間をかけて導入する必要がありますか?

 

ピクサーのブレイン・トラストについて聞いていたディズニーのメンバーは、Storytrust(ストーリー・トラスト)と呼ばれるものを導入しました。ですが、彼らはそのミーティングをどのように運営すればよいのか、理解していませんでした。私たちは彼らに、会議室から上下関係を取り除くことが、このミーティングで重要な点であることを説明していました。ですが、何カ月か経って見てみると、メンバーは、自分の考えを口に出す前に、ジョン・ラセター(主任クリエイティブオフィサー)の考えを受け入れてしまうことが分かりました。それは、ブレイン・トラストの考えと逆行するやり方です。私たちは、なぜジョンの考えに従うことが、結果的にチームにとって害となるのかを説明しました。その後、彼らのやり方は改善されましたが、かなり高いレベルで運営できるようになるには、数年を要しました。私たちが互いに信頼していなかった、というのは理由として十分ではありません。信頼というのは、構築に時間がかかるものです。今では、ディズニーのミーティングは、すばらしい場へと変化しました。ですが、それに労力を要したことは事実です。

(出典: 「ピクサーの魔法は「新しいアイデアが守られる文化」にあり」 2014-04-29 lifehucker )

本当に素晴らしい文化です。

前述のジョン・ラセターもブレイントラストと呼ばれる会議の中では、ひとりの参加者に過ぎないのです。

作品の建設的なフィードバックの場を作り、その場を完全なフラットな関係に維持し、創造性を維持しているのです。

苦労したとはいえ、買収した会社の良い部分を取り入れ自分達の力にし、カルチャーにする。そこに「アナと雪の女王」の大ヒットの秘訣があったのです。

 

ブレイントラストはどこから来たの?

 

この記事を読んで私はピンときました。ブレイントラストに出てくる「建設的なフィードバック」、「会議室から上下関係を取り除く」などの精神がどこから来ているのか。

それは、ピクサーが大切にする「Plussing ( Plus + ing)」の精神です。

例えば、アニメータがディレクターにあるアイデアについて助言を求めたとします。ピクサーではこのアイデアがいかにつまらなものでも、ディレクターは、判定を下す「but (しかし)」ではなく、アイデアや思考をプラスする「Yes、And (いいね、そして)」で返さなければなりません。

この 「Yes、And」、実は、Improvisation (インプロ)の基本精神の一つなのです。

インプロとは即興、または即興演劇のことで、ここではそのトレーニング手法のことです。近年ではビジネス研修の世界でも応用され、欧米ではエグゼクティブを中心に多くの方が、インプロをベースとした研修を受講しています。

ピクサーは、「最もインプロを自社の研修やカルチャーに取り入れている会社の一つ」として知られています。

また、インプロの世界では必ず「インプロネーム(ニックネーム)」で呼び合うルールがあります。

これは、その場の関係性をフラットにする、すなわち「上下関係を取り除く」ことを目的としています。即興でストーリーを作るのにアイデアをより出しやすい状況を作るのです。

ジョン・ラセターを始め、ビクサー映画、更にはディズニー映画まで、あのクリエイティビティの真髄である仲間のアイデアを大切にし、共にに作る文化には、インプロの精神が深く関わっていたのです。

 

もし、新製品のアイデアが出てこない、チームでアイデア出しができないなど、クリエイティビティでお悩みであれば、皆さんの会社でもこのようなカルチャーや会議手法を取り入れてみてはいかがでしょうか?

 

そんなの無理無理、と言う皆さん Fabo のインプロヴァイザーであるヒロキが講師を務める「フルネスオープン講座:イレギュラーに強くなる協調的交渉ワークショップ」でピクサーのクリエイティビティの真髄を体験してはいかがでしょうか。

 

最後までお読みいただきましてありがとうございました。

 

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