国会のヤジは無くならない?効果的な議論テクニックから考える


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こんなニュースがSNS界隈でシェアされていました。

女性都議に「産めないのか」 自民?議員席からヤジ
また品性に欠ける国民の代表者の発言が物議を醸しだしております。

 

みなさま、こんにちは。夜中に吉野家の牛丼を食べたら翌朝まで胃がもたれたアラフォーのFaboの伊藤です。

 

このニュースについては、人としてどうなの?議員としての品性はないの?といいたくなりますが、それらはネット上のやりとりに席を譲ります。私が注目したのはニュースの最後の一文です。

 

「吉原幹事長は、発生源が自民かどうかは「わからない」としながらも、「各会派が品位を持って臨むべきだ」と話した。」

 

えー、ウソでしょ?頭脳明晰、学力優秀な方もいらっしゃる国会で誰が喋ったかわかりません・・・はないでしょ。だいたい、ビデオ取ってるんだから誰がヤジ飛ばしたのかなんて・・・。

 

実は、議会でヤジが容認されているのは、政党の立場として敵対する政党の意見を中断させ議論そのものを破壊させることに効果がある(場合がある)からだと思われます。

 

だから、幹事長も発言者を特定、追求しないのでしょう。いくらなんでもそれほど無能だとは思いたくありません。

 

では、そもそもヤジとは何でしょうか?

 

ヤジは「野次る」で、「野次馬」の行為を動詞化したもの。

 

野次馬とは(Wikipediaより)
自分とは直接関係の無い事象(事件・事故を主とする、世の中で起こるもろもろの出来事・現象)に浅はかな興味を抱き、物見高く集まる、面白半分に騒ぎ立てるなどといった行為に及ぶこと、

 

ということは、国会議員は面白半分に騒ぎ立てているだけなのでしょうか。
そうですね、ニュースで話題になるのヤジはこの「浅はかヤジ」タイプでしょう。

 

浅はかどころか、人格を疑う内容なので問題がそちらにフォーカスされているのです。
しかし、議論上でのヤジの存在については本来はディベートのテクニックとして一定の効果があると考えられます。

 

ディベートとはあるテーマに対して否定派と肯定派に分かれて議論をし、第三者を説得する議論です。
国会はまさにディベートの場です。アイデア出しの会議でも報告会でもありません。

 

ディベートでの発言には3つの基本要素が揃っている必要があります。

 

1.主張 2.論理 3.証拠 ですね。

 

A 「今日はどうしてもジンギスカンが食べたい!ラム肉が食べたい!すごく食べたい!ね、今からジンギスカン食べに行こう!」

 

と同僚、恋人、友達が言ってきたらどうでしょう。しかし、あなたはどちらかと言えばラーメンと餃子が食べたい気分だと想定します。

まずは

 

B「どうしてジンギスカン食べたいの?」
と聞くでしょう。

 

A「最近は健康的な生活をするために、魚や野菜中心の食事にしているんだけど、たまにはがっつりお肉も食べたいからだよ!」

 

B「それはわかったけど、なんでステーキや焼き肉、焼き鳥じゃなくて、ジンギスカンなの?」

 

A「もちろん好きだというのもあるけど、ラム肉は体内の脂肪を燃焼させ、コルステロールを下げる働きをもつ『カルニチン』っていう物質を含むから太りづらいんだって。美味しくて太りづらいなら最高じゃないか」

 

B「そうなんだ、いいね、じゃあジンギスカン行こうよ♪」

 

この場合3要素は
  • 主張:「ジンギスカン食べたい!」
  • 論理:「肉食べてないから」
  • 証拠:「太らなくて旨いから」
となります。

 

これが、
「今日はジンギスカン食べるから一緒に来てよ」

ではラーメン食べたい派の人は納得しませんよね。

 

また、「ラム肉って太らないらしいよ」だけだと「へぇそんなんだ」で終わります。つまり主張がないのですね。

 

さて、次は私がBの立場で絶対ラーメンと餃子を食べてやろうと思います。

 

A「ラム肉食べたい!」
B「なんでラム?」
A「たまにはがっつり肉を!」
B「それなら餃子もいいでしょ」
A「太りづらいらしいよ」

 

B「え?それ本当?TV?雑誌?ネット?実証データあるのかなぁ。 私が前に聞いたのは、そういったデータってマウスでは証明されていても人間ではちゃんと数値化されていない状況が多くて、結局、プロモーションしたい側が適当にデータを拾ってきて拡散しているケースが多いらしいよ。効果については、改めて調べてそれからでもジンギスカンすればいいじゃないか。今日は餃子にしておこうよ。」

 

ここまで屁理屈を論理的に言えない場合は

 

「え?それってホント? じゃぁなんでスポーツ選手とかダイエット情報でラム肉もっと出てこないの?」

 

という内容をやんわり言いましょう。

 

つまり、要素のひとつである「証拠」を崩すと相手の主張まで有耶無耶になるくらいの破壊力があるのです。

 

これはディベートにおいては常套手段ですね。
ですから、主張側の場合は、証拠については、これでもかという程調べて、QAを想定しておくべきです。
国会のヤジに戻りますが、一部の方々はこの破壊力を勘違いして

 

「うそつき!証拠だせ!そもそも俺はラム肉嫌いだ!羊が可愛そうだ! そもそもお前はニュージーランドの回し者か!議員なら国内の食肉産業を支える発言をしろ!バカヤロー!バーカバーカ、お前のかーちゃんひーつーじー!」

 

と言ってみるとどうでしょう。
そうですね、品性のないヤジです。

 

相手の主張を崩したいのならもうちょっと、ウィットのあるヤジをお願いしたいです。

明治から昭和に活動した政治家の三木 武吉は、原内閣のある閣僚が、何の抑揚もないお経のような調子で、提出法案の趣旨説明をすると、一区切りついたところで「次のお焼香の方、どうぞ」とやじり、議場は爆笑に包まれた。 (Wikipediaより)

 

さらに言うと、ヤジを言われた側はヤジは無視するべきです。反応して動揺したら相手の思う壺です。

 

頭にくることを言われた時は、市原悦子主演のドラマ(古い?)「家政婦は見た」で死体を見て「あらやだ、死んでる」程度の態度ですっとぼけて結構なのです。「あらやだ、ヤジってる・・・」という感じでスルーしましょう。

 

ということで、国会のヤジを擁護するつもりはありませんが、相手の主張を崩すというのはディベートの一つの論法としてはあり得るという話でした。

 

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ジンギスカンが食べたくなったのは私だけでしょうか。

 

最後まで読んでいただいてありがとうございます。