チーム全員に当事者意識を持たせたい、そんな悩みを解消する方法とは


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当事者意識のためのゲームストーミング

 

先日ある IT 関連企業様で「発想する会議」を実施しました。

お客様からはサービス刷新に向けたアイデア出しをしたい、とのリクエストをいただいていました。現状を詳しくヒアリングすると普段の会議では各担当者が新しい取り組みに対して「ディフェンスに終始している」ことがわかりました。そこで、単なる「アイデア出し」だけではダメだと感じ、まずは「当事者意識」をチーム全員にもってもらおうと考えました。

 

家事にも子育てにも当事者意識を忘れずに取り組みたいと常々感じております、ゲームストーミングのファシリテーションをしております Fabo の加古です。

 

 

仕事はこれ以上増やしたくない

 

どんなに優秀な方でも、仕事が忙しくなればなるほど、新しい取り組みに対し仕事をこれ以上増やすまいとディフェンスモードに入る傾向にあるかと思います。

どの業界でも同じかも知れませんが、私がお世話になっていた IT 業界の方々も、新しい取り組み=仕事が増える、と考えがちです。期末や期初に必ずある、新規プロジェクトに向けた会議で参加者は、なるべく各自の仕事を増やさないよう、目立たないように全力で守備を固めています。

 

本来、新しい取り組みに対して人が足らないのであれば、増員するなど策が講じられるべきです。しかし、往々にして人員は現状維持で(最悪減らされて)新しいプロジェクトを任されることになります。

全力で自らの担当分を減らしにかかるのは、仕方がないことかもしれません。

 

 

当事者意識の欠如は変化のための足かせ

 

さて、そうは言っても時代の移り変わりは激しく、今までの成功モデルがいつまでも続く訳がないと経営層や管理職の皆さんは考えています。もちろん現場もわかっていると思います。しかし、新たな取組に対して、チーム一丸となったボトムアップの努力がなければブレークスルーは得られません。

そこで発せられるのが、「メンバー全員にもっと当事者意識を持って欲しい」という言葉です。

各担当者は仕事を増やすまいとディフェンスに躍起です。そこに成功するかどうかわからない新しいプロジェクトに「当事者意識を」と言われてもその温度差はどうしても大きくなってしまいます。

 

 

チーム全員が当事者意識を持つ会議手法とは

 

こんな時にお勧めしたいのが、「ブレーンストーミング」です。

 

何だブレストかよ、って思った人も多いかと思います。歴史も長く、近年ブレストは効果を出しにくいなどとも言われています。イノベーションや斬新なアイデアを求める人は、「ふ~ん」ぐらいに思われるかも知れません。

ブレストの効果が出しにくい要因として、

  1. ブレストができる状態にすることが意外に難しい
  2. 「アイデア出し」のためだけに使おうとしているから

ということがあるように思います。Fabo では、これらの阻害要因を解消するために

  1. インプロ(即興演劇手法)を使ったアイスブレイクでバイアスを取り除き、脳をほぐしておく
  2. 集合知を高めたり、認識や思いを共有したり、アイデア出しだけに使わない

というようなことをやっています。

更に、ブレストの目的として「当事者意識を持たせる」ということも有効だと考えています。

 

 

より当事者意識を持ってもらうためには

 

その方法とは、「最悪の◯◯を考える」ことをブレストするというものです。この手法は、Anti Problem (アンチ・プロブレム)と言って、ゲームストーミングというブレーンストーミングを含め、ゲーム取り入れた会議法の中の一つの方法です。

著書『ゲームストーミング――会議、チーム、プロジェクトを成功へと導く87のゲーム』の出版元のオーライリー社のWeb サイトによると、

ゲームストーミングはゲームのアルゴリズムと視覚的効果および効用を利用してグループワークを促進させる手法・技術・行為の総称です。ブレインストーミング、ファシリテーション手法、アイスブレイキングといったテクニックと同様、ゲームストーミングも会議、セミナー、ワークショップなど協働において優れた効果を発揮します。

 

とのことで、参加者の状況に合わせ80種類以上ある会議の方法から最適なものを選び、組み合わせることにより、高い効果を発揮することができます。

 

それではなぜ通常のブレストよりもアンチ・プロブレムが良いのでしょうか。

今回はアイデア出しよりも「当事者意識を持ってもらう」という目的に重点をおいています。よって、「盛り上がり=アイデア出しへのより積極的な参加」が重要になります。これが一般的に行われる「最高の◯◯を考える」ブレストでは、いつものディフェンスに回る可能性が高く、更に真面目なビジネスパーソンであれば普段考えていることと同じなので、どうしても良いアイデアが生まれにくくなります。

 

実際に「最悪な◯◯を考える」ブレストをやってみると意見がどんどん出ます。これは居酒屋で自分達の会社や上司について悪口を言い出したら止まらないのと同じです。

また、面白いのですが、このアンチ・プロブレムですが、やっている内に「自戒も込めて言いますが」とか「何だか自分達の恥を晒すようですが」と参加者が言い出します。そう、最悪な◯◯を考えている内に、参加者各自が、はたと気づきだすのです。「あれ、最悪な◯◯って自分達のことかも。。。」と。

 

 

大事なことは気づきを共有すること

 

 

アンチ・プロブレムでは、最終的に最悪の◯◯のアイデアを出しまくって、アイデアをまとめてその「最悪な◯◯のアイデア」の発表までを実施します。

 

最後に大事なことは、このブレストでの気づきを全員で共有することです。

「最悪な◯◯」を真剣に考えたら、その反対の「最高の◯◯」がおぼろげに見えてきます。更に参加者全員に「オレたち最悪な◯◯に向かって仕事していなかっただろうか」と当事者意識がしっかり芽生えるのです。

ふつうの会議では「自分の領域」以外には無関心だった参加者も自然に(半ば強制的に)「当事者意識」を持ってくれるはずです。

是非、参加メンバーには裏の目的は「内緒」で「最悪な◯◯を考える」ブレストをやってみてはいかがでしょうか。

 

Fabo ではブレーンストーミング、特にゲームストーミング手法を取り入れた会議ファシリテーションサービスを提供しています。お悩みも含め、気軽にお問い合せください。

 

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